本を選ぶことは、空間を感じること。亀有「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」に行ってきた

本を買うことが目的ではなかった。

そんな風に思える場所が、東京・亀有にあります。

住宅街のなか、意図的に看板すら控えめなSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)は、“本屋”という言葉に抱く既成のイメージからは少しだけズレています。

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SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)

JR東日本都市開発が運営するJR常磐線 亀有駅~綾瀬駅間高架下に、芸術文化センター「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」がオープンしたのは2024年11月。

私はプロダクトデザインの仕事を長くしていたこともあって、空間の「設計」に人より少しは敏感ですが、SKWATの店内には、まるで設計図の余白を残したような、自由さと緊張感が同居しています。

SKWATは、設計事務所「ダイケイ・ミルズ(DAIKEI MILLS)」が立ち上げたプロジェクト。都市の空き施設を一時的に占拠し、価値ある空間へと転換していく取り組みだそうで、以前、SKWATが手がけた南青山のトゥエルブブックス(twelvebooks)-アートブック専門の卸業者-に私は何回か行ったことがありました。

倉庫兼本屋な内装

「SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)」は倉庫兼本屋。海外のアートブックを取り扱っており、建物は倉庫でもあるのでその量には圧倒されます。

本だけでなく、レコードも扱っていて、試聴もすることができます。

本は、どこか作品展示のような配置で、ZINEや詩集、思想書、小さな出版社の本が、一定の「距離感」で置かれています。

この“距離”がいい。詰め込まれた情報の洪水ではなく、1冊1冊と向き合う「間」がある。本を選ぶというより、「本に気づく」ための空間設計だと思います。

スタッフさんはこの倉庫の中でデスクワークをしたり、品出ししたり。ワークスペースと売り場が完全に混在しています。

什器は、建築の足場をそのまま使用しているようでした。塗装されず、加工の痕跡がそのまま残る感じです。内装はとにかく無機質で、あくまで本やレコードを主役としている空間で、本の「気配」が伝わるような感覚です。

SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)で本を買うという行為は、モノを所有するというより「選んで参加する」ことに近いかと思います。

次に訪れたときには、またまったく違う本が、違う佇まいで並んでいるのでしょう。そんな予感が、すでにもう次の訪問を楽しみにさせてくれています。

ギャラリー併設のカフェ TAWKS

そしてその隣には、TAWKSというギャラリー併設のコーヒースタンドも有りました。

素敵な店員さんが丁寧に淹れたコーヒーを販売しています。

ホッと一息。

最後にSKACから徒歩1〜2分にある「ホワイト餃子」を食べて、満足な1日でした。

また亀有にいこうと思います。

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この記事を書いた人

元インハウスのプロダクトデザイナー。三角屋根の小さなお家で、妻と息子とチワワと生活しています。

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